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足るもの

「根拠は」
「あるにはあるのですが」
「なんだ、随分と歯切れが悪いな」
「果たして信じて頂けるか、それが疑問なのです」
「ものは試しだ、聞いてやろう」
「勘です」
「勘・・・だと?」
「はい。それ以外にはありません」
「そんな不確かなものに命運を託せというのか。ふざけるのも大概にしろ」
「・・・」
「・・・本気なのか」
「はい」
「ならば証明してみせろ。あまたの定礎に勝る人知外の力があることを。すべての反駁を捩じ伏せて余りある勝利こそ、お前の価値そのものとなろうよ」



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テーマ:物書きのひとりごと - ジャンル:小説・文学

慙愧

「明かすには、民意が成熟していないと」
「そうではありません。これはそもそもの問題なのです」
「そもそも、とは?」
「我々は元々『捨てられた民』。主の帰還に際し従することができなかった……いいえ、許されなかったその事実があればこそ、この国の歴史から大世界は抹消されたのです。一部の人間にのみ留められてきたそれを、ただ無心に然として受け入れる器が、今の国民にありましょうや」
「ですが」
「今のあなた何ができますか? 身分を偽り、一平卒となったあなたに」

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love me

「いいでしょ?」

そういう瞳に、甘えた渇望が瞬いたのを見逃さなかった。
だから、返す。

「いくらだ」

それはおそらく残酷なまでに冷たく届いたろう。けれど、今、彼女に必要な現実だ。
わかっていたはずだ。だのに、最後ひとかけらの望みを口にさせたのは--

「ひどい人ね。本当に、どうしようもないくらい」
「それが俺の仕事だからな」
「・・・わかってないわ、あなた。なんにも。私のことも、あなた自身も」

俺は知らなかった。

自分が、これほどまでに無力だと。
拠ってきたものが、虚構であることを。



私は知らなかった。

自分が、これほどまでに力を持つことを。
放たれた自由が、確約されたものではないということを。



その事実すべてが
この身体に刃を立てる。

迷いの距離

柔らかな弧を描く白い頬から、淡い紅色のくちびるの際まで。
あとほんのすこしのその距離で、僕はいやにくっきりとした理性を取り戻す。


・・・いけない。
まだ、越えられない。


甘美な香を鼻先に感じながら、胸に湧く欲望を無理に制する。


無理に。
そう、無理矢理にでも。


そうして自制を続けなければならないほどに、僕は四六時中夢中になっているということなのだ。



傍らで光を放ち、温かに自分を癒す彼女の全てに。

狂おしい程の愛しさと哀しさを抱えつつ。

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Author:水成 豊
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趣味でオリジナルFT小説とかイラストとか書いてます。

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